TLS（Transport Layer Security）は、インターネット上でのセキュアな通信を確立するためのプロトコルです。TLSは、データの暗号化、データの完全性の保証、相手方の認証を提供し、通信のセキュリティを確保します。TLSは、SSL（Secure Sockets Layer）プロトコルを基にして開発され、その後のバージョンであるTLS 1.0、TLS 1.1、TLS 1.2、TLS 1.3が登場しました。

TLSの主な機能は以下の通りです。

1. 暗号化：TLSは、通信データの暗号化を行います。これにより、第三者が通信を盗聴してもデータを読み取ることができず、データの機密性が保たれます。一般的には、共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の組み合わせが使用されます。
2. データの完全性の保証：TLSは、データの完全性を保証します。通信データが改ざんされていないことを確認するために、ハッシュ関数やメッセージ認証コード（MAC）が使用されます。データが途中で改竄されていた場合、通信の相手方はそれを検知し、通信の中断や警告を行います。
3. 相手方の認証：TLSでは、通信相手方の認証が可能です。公開鍵証明書を使用して、ウェブサーバーやオンラインサービスの正当性を確認することができます。これにより、通信先が信頼できる組織であるかどうかを確認し、中間者攻撃やなりすまし攻撃から保護します。

TLSは、ウェブブラウザとウェブサーバーの間のHTTPS（HTTP over TLS）通信に広く使用されます。HTTPSは、HTTPプロトコルを使用したセキュアな通信を実現するためにTLSを利用します。TLSは他のプロトコルやアプリケーションでも使用されることがあり、データのセキュリティを強化するための重要な手段となっています。

TLSのバージョンによってセキュリティの強度や対応アルゴリズムが異なるため、最新のTLS 1.3を使用することが推奨されます。また、定期的なアップデートやセキュリティのベストプラクティスの適用も重要です。