ユーザーに見られるページの作り方とは

はじめに

ホームページを公開したものの、アクセス数が伸びず「見られていない」と感じることは、多くの運営者が直面する課題です。単にページを作って公開するだけでは、膨大な数のページが存在するインターネットの中で埋もれてしまいます。では、どうすれば「ユーザーに見られるページ」を実現できるのでしょうか。本稿では、そのための基本的な考え方から具体的な実践方法までを詳しく解説します。

見られるページとは何かを定義する

「見られるページ」とは、単に一時的にアクセスが集まるページを指すわけではありません。検索やSNSからの訪問があり、ユーザーが中身をしっかり読み、最終的に行動へと移ることを目指したページのことです。ここでいう「行動」とは、問い合わせフォームの送信や商品購入、資料請求など、運営者が意図したゴールにユーザーが近づく動作です。

つまり「見られるページ」には三つの段階があります。第一に「訪問されること」、第二に「読まれること」、第三に「行動につながること」です。アクセス解析を見ると、ページビューは多いのに滞在時間が短い場合や、ページの最後まで読まれない場合があります。これは「訪問はされているが読まれていない」典型例です。逆に、じっくり読まれていても最終的な問い合わせがないなら「行動につながっていない」状態です。したがって、見られるページの本質は「数値としてのアクセス」だけでなく「ユーザー行動の質」まで含めて考える必要があります。

SEOの役割とキーワード選定の重要性

見られるページを作る第一歩は、検索エンジン経由でユーザーに発見されることです。現代のユーザーの多くは、GoogleやYahoo!などで検索してから目的のページにたどり着きます。したがって、検索結果に出てこないページは、存在していても「見られないページ」と同義になります。

SEOの中でも特に重要なのが「キーワード選定」です。ユーザーが検索窓に入力する言葉は、ニーズをそのまま表しています。例えば「リラクゼーション 赤羽」と検索する人は、赤羽エリアでリラクゼーションサロンを探している可能性が高いです。この検索意図を理解して、ページのタイトルや見出しに「赤羽で癒やされるリラクゼーションサロン」というようなフレーズを組み込むと、ユーザーに刺さりやすくなります。

さらに、競合分析も欠かせません。同じキーワードで上位表示されているページを調べ、そこに不足している情報を補う形でコンテンツを用意すると差別化できます。SEOは単に検索順位を上げるためのテクニックではなく、「ユーザーが探しているものを提供する」ための手段であると理解しておくことが重要です。

ファーストビューで伝えるべきこと

ユーザーがページを訪問して最初に目にする部分を「ファーストビュー」と呼びます。ここで何を感じ取るかが、その後の滞在時間や離脱率に直結します。

ファーストビューで大切なのは「何のページなのか」が一瞬で伝わることです。企業のサービス紹介ページなら「こんな課題を解決できます」といったメッセージを短く伝える必要があります。視覚的に目を引く画像やキャッチコピーも有効です。ただし派手すぎる演出は逆効果で、ユーザーが知りたい情報にすぐアクセスできるよう整理することが大切です。

また、スマートフォンではファーストビューがさらに小さくなるため、伝えたい内容を絞り込むことが求められます。特に「ページの目的」を端的に示す一言やボタン（例：資料請求はこちら、来店予約はこちら）を配置することで、ユーザーを自然に次のステップに導けます。

読まれるコンテンツの条件

「読まれるコンテンツ」には三つの条件があります。第一に「役立つこと」、第二に「わかりやすいこと」、第三に「信頼できること」です。

役立つとは、ユーザーが検索してきた目的に合致しているということです。例えば「ホームページのSSL化」と検索した人が訪問したページに「SSLとは何か」「なぜ必要か」「導入方法はどうか」といった答えが整理されていれば、ユーザーは満足して読み進めます。

わかりやすさとは、専門用語を必要以上に使わず、構成が論理的であることです。見出しを効果的に使い、1つの見出しで1つのテーマを説明するようにすると、流れが理解しやすくなります。

信頼性は、根拠となるデータや事例を提示することで担保されます。「多くのお客様に選ばれています」と書くだけではなく、「年間で500件以上の制作実績があります」と具体的に伝えると説得力が増します。

内部リンクで回遊を促す

ページ単体で完結させるのではなく、関連するページへとユーザーを導く仕組みを持たせることが重要です。これが「内部リンク設計」です。

例えば、サービス概要ページの最後に「料金の詳細はこちら」「導入事例はこちら」というリンクを設置すれば、ユーザーは自然に別のページへ移動します。逆に内部リンクが少ないと、ユーザーは1ページ読んで満足したらそのまま離脱してしまいます。

また、内部リンクはSEOにも効果的です。検索エンジンはリンクをたどってページを評価するため、関連性が明確なリンクが多いほど、サイト全体の評価も高まりやすくなります。ただし、やみくもにリンクを並べると逆に混乱を招くので、ユーザーの行動を想定して「次に知りたいであろう情報」へ導くのがコツです。

モバイル対応と読み込み速度の改善

アクセスの大半がスマートフォンから行われる現代において、モバイル対応は必須です。PCでは快適に見られても、スマホで文字が小さすぎる、ボタンが押しづらいといった問題があると、ユーザーは即座に離脱します。

さらに見逃せないのが読み込み速度です。Googleの調査でも、読み込みに3秒以上かかるページは大半のユーザーが離脱すると報告されています。速度改善の具体策としては、画像をWebPなどの軽量フォーマットに変換する、不要なプラグインやスクリプトを削除する、キャッシュを活用するといった方法があります。こうした改善はユーザー体験を高めるだけでなく、SEOの評価にも直結します。

信頼を与える要素

ページを見てもらうためには「この情報は信用できる」と感じてもらうことが欠かせません。信頼を得る方法はいくつかあります。

まず、運営者情報を明示することです。会社概要や所在地、連絡先を載せるだけで、匿名のサイトよりも信頼感は増します。次に、実績や導入事例を掲載することも有効です。「どんなお客様に利用されているのか」がわかると、ユーザーは安心します。

さらに、ユーザーレビューやお客様の声を掲載するのも効果的です。第三者の意見は信頼性を補強する大きな要素になります。また、ページが継続的に更新されていることも重要です。古い情報がそのまま残っているサイトは信頼を損ねやすいため、定期的に見直す習慣を持ちましょう。

SNSや外部媒体との連携

検索エンジンだけに依存せず、SNSや外部媒体からの流入も取り入れることが「見られるページ」を作るカギです。

X（旧Twitter）では、ページ内容の要点を短くまとめて投稿し、リンクを添えることで拡散を狙えます。Instagramなら視覚的な画像や動画で訴求するのが効果的です。Facebookでは長文投稿で信頼感を与えながらページへ誘導できます。それぞれの媒体に合わせた見せ方を工夫することが必要です。

また、外部のブログやメディアで紹介されると、被リンクが得られるだけでなく、検索エンジンの評価も向上します。自社サイトだけで閉じず、外部とのつながりを意識することが見られるページへの近道です。

データに基づく改善の継続

ページは一度作って終わりではありません。ユーザーに本当に見られるページに育てるためには、データに基づいた改善を繰り返す必要があります。

Google Analyticsを使えば、ユーザーがどのページから訪問し、どのページで離脱しているのかがわかります。滞在時間や直帰率も参考にすれば、「どこに課題があるのか」を数値で把握できます。さらにSearch Consoleを利用すれば、どの検索キーワードで表示され、どのくらいクリックされているかを確認できます。

これらのデータを分析して、タイトルを改善する、コンテンツを追加する、導線を修正するなどの施策を続けていくと、徐々にページは「見られる」存在へと成長します。重要なのは、感覚ではなく客観的なデータに基づいて判断することです。そして、改善は一度で終わらず、定期的に繰り返すことが成功の条件です。

まとめ

ユーザーに見られるページを作るためには、SEOを意識した設計、ファーストビューでの訴求、役立つコンテンツ、内部リンクによる回遊設計、モバイル対応と速度改善、信頼感を与える情報、SNS連携、そしてデータ分析と改善サイクルといった多面的な取り組みが必要です。

見られるページとは、ユーザーの立場に立ち「役立つ・わかりやすい・信頼できる」と感じてもらえるページです。こうした要素を積み重ねることで、ページは自然とユーザーに見られるようになり、問い合わせや購入といった成果にも直結していくでしょう。