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PHPバージョン変更でWordPressに「重大なエラー」が発生|長年運用されているサイトの復旧事例

長年運用されているWordPressサイトでは、PHPやWordPressを新しいバージョンに変更したことが、思わぬトラブルにつながる場合があります。今回対応したのは、他社で制作され、その後長年にわたって運用されてきたWordPressサイトで、管理画面の投稿編集時に「重大なエラー」が発生した事例です。

調査を進めた結果、保守開始時にはPHP 7.3で運用されていたサイトがPHP 8.3に変更されており、既存のサイト構成や古いプラグインとの互換性に問題が生じていました。最終的には、サイトの運用方針に合わせてPHPとWordPressのバージョンを調整し、正常に利用できる状態へ復旧しています。

今回のご相談内容

今回のサイトは弊社が新規制作したものではなく、他社で制作され、長年運用されているWordPressサイトです。保守をお引き受けした時点ですでに一定の運用年数があり、現在のWordPress環境へ全面的に作り直すのではなく、既存環境をできるだけ維持しながら運用を継続する方針となっていました。

こうしたサイトでは、テーマやプラグインなども現在の環境を前提に作られたものとは限りません。そのため、単純に「新しいバージョンの方がよい」と考えて更新すると、これまで正常に動いていた機能が動かなくなることがあります。今回も、まずは既存環境を壊さないことを前提として原因調査を行いました。

発生していた症状・エラー内容

最初に確認できたのは、WordPress管理画面に表示されるデータベースエラーでした。アクセス解析関連のプラグインが利用するキャッシュ用データベーステーブルが存在せず、存在しないテーブルに対してデータを取得しようとしていました。

このプラグインを無効化するとデータベースエラー自体は解消しました。しかし、それだけでは問題は終わりませんでした。WordPressの「投稿を追加」画面を開くと、編集画面の一部に「このWebサイトに重大なエラーが発生しました」と表示され、正常に投稿を編集できない状態が残っていました。

そこでWordPressのデバッグログも確認しました。ログには古いプラグインに由来する警告などが記録されていましたが、投稿編集画面に表示されている重大なエラーについて、直接原因を特定できるFatal Errorは確認できませんでした。

原因の特定ポイント

調査の大きな手掛かりになったのが、PHPのバージョンでした。

このサイトは、弊社で保守をお引き受けした時点ではPHP 7.3で運用されていました。過去にもPHPを8系へ変更するとサイトの表示や機能に大きな問題が発生することが確認されており、そのため既存環境を維持しながら運用する方針となっていました。

ところが今回確認したところ、PHPは8.3に設定されていました。また、WordPress本体も以前確認していた6.8系から7.1系へ更新されていました。

デバッグログには、古いプラグインのコードが新しいPHP環境で非推奨として扱われていることを示す記録もありました。これだけで重大なエラーの直接原因とは断定できませんが、長年使用されているテーマやプラグインと、新しくなったPHP環境との間で互換性問題が起きている可能性が高いと判断しました。

実際に行った対応内容

今回は、サイトを最新環境へ移行することではなく、既存サイトを現在の構成で継続運用することが目的です。そのため、古いプラグインをすべて交換したり、サイト全体を大きく改修したりするのではなく、正常に稼働できる環境へ戻す方向で対応しました。

まず、データベースエラーを発生させていたアクセス解析関連プラグインを無効化しました。そのうえで、PHPを8.3から7.4へ変更し、WordPress本体についても6.8.10へ調整しました。

PHP 7.3ではなく7.4としたのは、現在利用できる環境の中で既存サイトとの互換性を確保しながら運用できる構成を選択するためです。最終的に、PHP 7.4/WordPress 6.8.10の組み合わせで動作確認を行いました。

対応後の結果・改善点

環境を調整したところ、それまで投稿編集画面に表示されていた「重大なエラー」は解消し、正常に操作できる状態へ戻りました。サイト側についても動作を確認し、お客様側でも正常に利用できることをご確認いただいています。

今回のポイントは、エラーが出ているプラグインだけを修正するのではなく、「以前はどの環境で正常に動いていたのか」という履歴まで含めて確認したことでした。

最初に見えていたデータベースエラーだけを追い続けていた場合、投稿編集画面の問題までは解決できませんでした。個別のエラーメッセージだけでなく、WordPress・PHP・テーマ・プラグインというサイト全体の組み合わせを見ることが重要な事例でした。

今回の対応から分かったこと

WordPressのトラブルでは、必ずしも「最新版にすれば解決する」とは限りません。特に長年運用されているサイトでは、当時のPHPやWordPressを前提として作られたテーマ、独自機能、現在では更新されていないプラグインなどが残っていることがあります。

もちろん、古いPHPやWordPressを長期間使い続けることにはセキュリティや保守性の課題があります。そのため、将来的にはサイト自体を現在の環境に合わせて作り直すことが望ましいケースもあります。

一方で、サイトの運用方針や予算、リニューアル時期などによっては、すぐに全面刷新できるとは限りません。その場合には、「理想的な最新環境」と「現在のサイトを安定して動かせる環境」を分けて考えることも、実際の保守では必要になります。

今回のサイトも、将来的な再構築については認識を共有したうえで、現時点では既存環境を維持して運用する方針です。そのため今回は、無理にPHP 8系へ対応させる改修を行うのではなく、正常稼働していた環境に近づけることを優先しました。

同様のトラブルを防ぐために

長期間運用しているWordPressサイトでは、PHPやWordPressのバージョンを変更する前に、現在使用しているテーマやプラグインがその環境に対応しているか確認することが大切です。特にPHPのメジャーバージョンを変更すると、普段閲覧しているページには問題がなくても、管理画面や投稿編集、問い合わせフォームなど特定の機能だけでエラーが発生することがあります。

また、保守対象のサイトでは、正常稼働しているPHP・WordPressのバージョンを記録しておくことも有効です。複数の担当者がサイトやサーバーを管理している場合、「古いから」という理由だけで設定を変更すると、それまで保たれていた互換性が崩れてしまうことがあります。

今回のように意図的に既存環境を維持しているサイトでは、PHPやWordPressを更新する前に、保守担当者へ確認してから作業することでトラブルを防ぎやすくなります。

メディアプライムスタイルのサポートについて

メディアプライムスタイルでは、WordPressのエラー対応だけでなく、長年運用されてきた既存サイトの保守についても、現在の構成やこれまでの運用経緯を確認しながら対応しています。

WordPressには、最新環境へ更新していくことが適しているサイトもあれば、リニューアルまでの期間は既存環境を安定させることを優先した方がよいサイトもあります。特に他社制作のサイトでは、制作当時の設計やプラグイン構成が分からないことも多いため、エラーだけを見るのではなく、サーバー環境や過去の動作状況も含めた切り分けが重要です。

「WordPressを更新したら管理画面で重大なエラーが出るようになった」「PHPを変更したらサイトが動かなくなった」「古いWordPressサイトなので、どこまで更新してよいのか分からない」といった場合も、現在の環境を確認したうえで、今後の運用方針に合った対応方法を検討していきます。

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